【撮影者は語る】和中清氏、感動した「中国の100ヶ所」を日本人に紹介

人民日報 2024年07月12日 10:32

      中国国際航空公司日本支社と人民網日本株式会社が共同で主催する「心に映る中国」日本人がとらえた中国フォトコンテスト2024の作品募集が3月18日から正式にスタート。コンテストでは、「撮影者は語る」と題し、撮影者に写真を撮影した過程で得られた事柄や中国の印象、感じたことなど紹介する。今回は「心に映る中国」日本人がとらえた中国フォトコンテスト2022で「エアチャイナ特別賞」を受賞した和中清さんにインタビューした。

      和中清さん

      経営コンサルタント。

      1991年より日本企業の中国での事業協力に携わる。中国経済関係の著書は「中国市場の読み方」、「中国はなぜ成長し、どこに向かうか、そして日本は?」など多数。

      70歳を過ぎて中国の自然に魅せられ、仕事の傍ら「感動中国100」のサイトを運営。中国の100ヶ所の訪問を目標に現在も活動を展開中。

      Q:素晴らしい撮影作品とは?

      撮影する人がその瞬間に感じた自然の美しさや対象への撮影者の思いを素直に表現できた写真、また自然なままの写真が個人的には望む写真です。

      また一時、一時の瞬間が大切なので運や偶然も重なりますが、瞬間を逃さないように映せた時にすばらしい写真が撮れるのではないでしょうか。

      Q:思い出に残る作品は?

      2018年10月、四川省第一の高峰、標高7556メートルの貢嘎(コンカ)の麓の氷河、海螺(ハイロウ)溝に行きました。周囲の雪峰は厚い雲に覆われ貢嘎は見えませんでした。しかし氷河を歩きながら後ろをふりかえると、ポツンと点のように青い色が現れました。青い点は次第に大きくなり、額縁の絵を見るかのように貢嘎の峰々が現れました。壮大な大自然のドラマの一コマでした。そんな貢嘎を再び見たいと思い2022年10月、貢嘎のビューポイントの一つ、冷嘎措(ロンガソ)に行きました。冷嘎措は標高4500メートルにある小さな湖です。貢嘎が湖面に映ることで知られています。湖面の向こうに聳える貢嘎の崇高さに心をうたれ、夕日に映える貢嘎を見て暗くなった山道を降りました。

      四川省甘孜蔵(カンゼ・チベット)族自治州で、額縁の絵を見るかのように現れた貢嘎山(ミニヤコンカ)の峰々(撮影 · 和中清)。

      貢嘎山(ミニヤコンカ)と「貢嘎の目」と呼ばれる湖「冷嘎措」(ロンガソ)(撮影 · 和中清)。

夕日に映える貢嘎山(ミニヤコンカ)(撮影 · 和中清)。

      また私の思い出に残る写真はたくさんあり、強いて上げれば、一つは、四川の亜丁で登山道を登り、目の前に現れた牛奶海のエメラルドグリーン。その湖を見た時、思わず涙が浮かびました。そして、四姑娘山の頂上付近、稜線に浮かぶガイド、今年1月の吉林で撮った霧淞島の霧氷などです。

      四川省甘孜蔵(カンゼ・チベット)族自治州稲城県稲城亜丁景勝地にある牛奶海(撮影 · 和中清)。

      四川省阿壩蔵(アバ・チベット)族羌(チャン)族自治州にある四姑娘山の頂上付近、稜線に浮かぶガイド(撮影 · 和中清)。

吉林省吉林市にある霧淞島の霧氷(撮影 · 和中清)。

      Q:今後の計画や展望は?

      私は、70歳になった年に訪れた中国雲南省の自然のすばらしさに驚き、その年から四川省や新疆維吾爾(ウイグル)自治区、内蒙古(内モンゴル)自治区などを訪ね、秘境、街、村の写真を撮り、それを「感動中国100」というサイトで写真と文を紹介しています。

      これまで日本人は中国の歴史、文化、自然に憧れ、多くの人が中国を旅行しました。しかし現在は、日本の旅行会社に行っても中国旅行のパンフレットすらありません。中国の美しい自然、秘境、街や村の写真は、日本人にきっと共感してもらえるのではと思い、このサイトを始めました。

「感動中国100」のホームページ

      写真を見た多くの人からは、「中国にこんなすばらしいところがあったの。知らなかった」の言葉が先ず、初めに出ます。その言葉をきっかけに、中国に行ってみたいと思う日本人を一人でも増やそう、それが、自分ができる友好ではないか、そう考えて始めたのが「感動中国100」です。

      現在、掲載準備作業中の写真を含めるとすでに86ヶ所を訪れました。これまで新疆、内蒙古、四川、雲南、黒竜江、吉林、河北、甘粛、広東、浙江、福建、湖南、広西、などの省(自治区・直轄市)に行っています。都市、街、村の数は数えきれません。今後は、青海、西蔵、貴州、山西などに行く計画です。

      Q:「一度は絶対に行くべき」おすすめの中国の場所は?

      たくさんありすぎて、なかなか一つの場所をあげることは難しいですが、四川の亜丁、九寨溝と黄竜、新疆の喀納斯(カナス) 、禾木(フム)、昭蘇(モンゴルキュレ)、那拉堤(ナラテー)と喀拉峻(カラジュン)、雲南の麗江と香格里拉(シャングリラ)、内蒙古の阿爾山(アルシャン)と大興安嶺などです。

      雲南省迪慶蔵(デチェン・チベット)族自治州香格里拉(シャングリラ)(撮影 · 和中清)。

      新疆の喀納斯は浄土の地でした。花の咲く山に登り高原を見た時、ここは浄土だとの実感が湧き、カナス湖のグリーン、森のグリーンの色に感激しました。二頭の馬が山を登っていました。一頭の前足はひもでくくられ、歩くのに不自由で、もう一頭はその不自由な馬に寄り添い、頭を不自由な馬の身体につけながら庇うように山を登っていました。カナスは人も馬もやさしくさせる、まさに浄土だと思いました。

新疆維吾爾(ウイグル)自治区の喀納斯(カナス)(撮影 · 和中清)。

      Q:中国を旅した感想は?

      中国の高速鉄道網がすばらしく発展し、旅が快適になったと思います。湖南省の懐化から北京までの夜行寝台高速鉄道に乗りましたが、その寝台の快適さには驚きました。

      また、旅先でいろんな人にも出会うことができます。旅の途中で一緒に写真を撮ったり、私の旅について話をしたり、いろんな楽しみもあります。現地のチベット族青年ガイドと二人だけで登ることもよくあり、彼らとの交流、そのやさしさも支えになり旅を続け、活動を続けています。

      そして、行く先々の食事、現地の料理の美味しさも印象に残っています。新疆の烏魯木斉近くの南山で食べた羊の串焼き、蘭州ラーメン、四川のヤクの肉、湖南の唐辛子と魚料理など、行く先々でいろんな料理に出会えるのも旅の楽しさです。

      「心に映る中国」日本人がとらえた中国フォトコンテストについて

      「人民網日本語版」2024年7月12日