NEC中国法人の関係者を取材すると、事業を承継するのは大連華信計算機技術股フン有限公司(フンはにんべんに分)だという。その後、電話と面談を通じて済南、北京、西安の社員に詳しい話を聞いた。
今回、売却されるのはNEC軟件(済南)有限公司と日電卓越軟件科技(北京)有限公司。主にNECのソフトウェアのアウトソーシング事業を行っている。
大連華信は1996年5月に設立され、コンピューターアプリケーションソフトの開発、システムインテグレーション、ソフトアウトソーシングサービスなど多様な業務を手がけている。NECは大連華信の株式の5.46%を保有し、大連華信の主要顧客でもあり、売上高の8.44%を占める。また、NECソリューションイノベータ株式会社は大連華信の株式を7.44%保有している。
大連華信の発表した公告によると、NEC中国は済南公司と北京公司の株式を100%保有しており、これから両社の株式の92%を大連華信に売却し、8%は引き続き保有する予定。売却額は済南公司が5093万元(1元は約15.6円)、北京公司が3238万元だ。
関連会社の社員によると、済南公司と北京公司の価値は8千万元程度ではあり得ず、NECは資産を「安売り」すると同時に、1億6千万元の収益も持っていき、売却を急いでいることは明らかだという。
注目されるのは、NEC中国はこの2社に2つの約束をしたことだ。すべての社員との雇用関係および待遇を1年間維持するという約束、今後3年間のアウトソーシング契約の契約額についての約束だ。
北京公司の社員の話では、同社には昔からいて会社側と長期の雇用契約を結んでいる社員が多い。NEC中国が保証する雇用契約は1年しか維持されないということで、社員たちは1年後に退職を迫られることになる可能性が高い。
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